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めんどくさかったなってことを振り返ったり振り返らなかったりするための記録

速く走るために必要な三つのこと

年齢とともに体力の衰えを感じていて、今までできたことも体で表現できなくなったり忘れていったりしてしまうんだろうなという寂しさが湧いてきたので、頭だけででも覚えていられるように文章に残す。誰が得するかはわからないけど。ちなみに私の100mのベストはせいぜい11秒7ぐらいなので、これを読んでも誰の参考にもならないかもしれない。


速く走るために心がけているキーワードは次の三つ。

  1. 姿勢
  2. バランス
  3. タイミング

それぞれについて詳細に解説する。

姿勢

走るために良い姿勢というのがある。これを守ろうという話。

具体的には、良い姿勢になれば、壁にかかと、お尻、背中、頭がぴったりとつく。

見た目的にはこれでも良いが、力を入れるところ、抜くところのポイントを抑えるには、壁のないところで両かかとを合わせ、つま先を180度開いて立てるかどうか確かめるのが良い。これはバレエの1番ポジションにあたる。適当にやるとすぐぐらついてしまうので、体のどこに力を入れてバランスを保たなければならないかを感覚として身につけなければならない。

この姿勢を作ると、体が一本の棒のようになる。そのようになると、地面を蹴った時のエネルギーを減衰させることなく体の重心に伝えることができる。つまり、良い姿勢を保つということは、地面を蹴った時のエネルギーを推進力に変換する効率をよくすることにつながる。

バランス

人はふつう、体のバランスを保とうとする。体が倒れそうな時、倒れまいとして本能的に足や手を出すと思う。これを利用して、前にバランスを崩すことで、足が自然に前に出るようにする。

あと、片方の腕をとにかく素早く前に振ると、もう片方の腕(または半身)を後ろに引こうとする感覚がある。こう感じるのは私だけかもしれないが、これも体がバランスを取ろうとすることによる作用なのかと解釈している。また、腕を大きく振ることによって、足も大きく振らなければならなくなる。この辺は次の「タイミング」と関係するところかもしれない。

タイミング

走っている時の腕や足は振り子のような動きをしているので、速く動かしたい時は振り子の柄を短くするように肘や膝をたたむとよい。腕と足のタイミングは必ず合うように走るので、足を速く動かしたいと思うような時は、逆に腕を意識して速く振るようにするとよい*1。腕は比較的簡単だが脚をたたむのは大変で、ハムストリングスを普段から鍛えておくのが肝要である。

また、振り子の運動エネルギーが最大になるのは振り子が鉛直下向きになったときであり、走っている時の脚でいうと足が接地した時である。だから、地面に与える衝撃を最大にするために、足が接地するタイミングにすべてをかけなければならない。

素直に走っている間は、腕と足の同期を取ろうとする。問題はどこでタイミングを合わせるかということで、最適なのはどちらかの足が地面に接する時だと思う。この時に、腕と地面に接していない方の足ができる限り体に近い状態になっているのがよい。足が接地する時間は可能な限り短い方がよいので、接地する瞬間に体をギュッてする感覚だと思う。腕は脇を締めて肘を脇腹に当てるぐらいの感覚、浮いている方の脚は接地している方の脚に膝を寄せつつ、膝をたたむ感じ。

現役の頃は、それぞれのポイントがどう関係しているのかわかっていなかった。やめてしばらくして、それぞれのピースが自分の中で連結して、理解して体を動かすことができるようになった。私は誠に顧問不孝で残念なヤツである。

*1:よほど意識してやらない限り、走っている最中に腕と足の出し方があべこべになるということはない。出発直後は右腕と左足を同時に出していたのに、進むにつれて右腕と右足が同時に出るようになるみたいな感じだ。逆にすごい。